大腸

大腸ポリープ

大腸ポリープとは

大腸にできる「いぼ」の様な隆起性の病変を大腸ポリープといいます。いろいろな形があり、大きさも1mm程度の小さいものから数cmまでと様々です。

ポリープの種類

大腸ポリープにはさまざまな種類がありますが、大きく分けて腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに分類されます。このうち腫瘍性ポリープは将来的にがんになる可能性が高いので、基本的には見つかった段階で切除することが大腸がんを予防する上で非常に大切なこととなります。腫瘍性のものの中には、隆起性の病変だけでなく、陥没した腺腫や、陥凹型のがんも存在しています。非腫瘍性ポリープはさらに炎症性ポリープ、過形成ポリープ、過誤腫性ポリープ(若年性ポリープ)に分類されます。腫瘍性ポリープとは反対に、非腫瘍性ポリープは特に大きいものや多発するなど特殊なケースを除き、基本的にはガン化しないことがほとんどです。

大腸ポリープからがんへ

一般的に、腫瘍性ポリープ(腺腫)が数年間をかけて徐々に大きくなり、大腸がんに移行していくタイプが、大腸がんの9割を占めるといわれています。また近年、過形成ポリープの中でも、サイズが10mmを超える場合などは、腺腫と同様に「がんへの移行リスクの高いポリープ」といわれています。

原因

●年齢(50歳以上)

●大腸がんの家族歴

●高カロリー摂取および肥満

●過量のアルコール、喫煙

大腸ポリープそのものができる原因は実はまだはっきりと分かっていませんが、主に不規則な食生活や遺伝子の異常が関係しているのではないかと考えられています。特に、血の繋がった親、兄弟、子供に大腸がんになった人がいると、そうでない人に比べて2~3倍大腸がんになりやすいといわれています。40歳以上になられた方、また40歳以下の方でも親族が大腸がんと診断された方は、定期的に大腸内視鏡検査を行い、早期発見に努めることをおすすめしております。

 
また、大腸ポリープの中には家族や親戚内で頻発するポリープである家族性大腸ポリポーシスという疾患もあります。 この病気は遺伝により発症することが明らかになっていて、10代頃からポリープが出来始め、いずれは数百個〜数千個程度のポリープを形成してしまいます。 
家族性大腸ポリポーシスは治療せずに放置すると、将来的にほぼ100%大腸がんになると言われています。

自覚症状

腹痛や下痢、腹部の膨満感などが出ることもありますが、基本的にはポリープの大きさが小さい初期の段階では自覚症状はありません。
これがだんだんと大きくなると血便や粘液の混ざった便となることがあります。割合は多くはないですが、健康診断の便潜血検査で陽性になったりすることで発見に繋がることもあります。

大腸ポリープ・がんの検査

①便潜血検査

②大腸内視鏡検査(大腸カメラ) 

が主に行われています。

大腸ポリープを発見するための簡単な検査として、まず便潜血検査があります。ポリープが大きくなると、排便時に擦れて出血し、その結果便潜血検査で陽性になることがあります。 
この検査で陽性の場合は、精密検査として大腸内視鏡検査などが行われます。ただし、便潜血検査の結果が陽性だからといって必ずしも大腸がんやポリープがあるわけではありません。大半は痔などのほかの病気が原因だとされています。  便潜血が陰性でも、内視鏡検査でポリープや早期がんが発見されることもあります。

大腸内視鏡検査は肛門から内視鏡を入れて大腸の内部を観察します。早期の大腸がんや、大腸がんになる可能性が高いポリープを見つけることができる検査であり、もし何か病変があったときは、病変の組織を一部採取して顕微鏡で調べることで、がんではないかどうか確定診断をつけることもできます。 要治療となる腺腫性ポリープなどは、検査と同時に切除治療することも可能です。 
大腸ポリープが発見された場合、治療が必要なポリープかどうかを確認するため、色素内視鏡検査(大腸内に青い色素を散布してポリープを詳しく見る)などが行われることもあります。

大腸ポリープの治療

大腸ポリープのほとんどの場合は内視鏡による治療が適用となります。手術が必要と判断された場合は外科手術による治療を行います。切除する時には痛みは全くありません。ただし、特にポリープが大きい場合や、出血の危険性が高い場合などは、病院での治療をご紹介する場合もあります。

切除したポリープは回収し、顕微鏡検査によって種類を診断し、その後の治療方針の参考にします。ポリープが大腸がんであった場合は、顕微鏡検査の結果によっては、追加治療が必要な場合もあります。

内視鏡治療の術後合併症として切除した部分から出血したり、穿孔といって腸に穴があいたりすることがあります。実際には外来での処置では、少量の出血を認めることはありますが(~1%以下)、穿孔することはほとんどありません。ただし、合併症を予防するために、ポリープ切除後およそ1週間はアルコールや腹圧のかかる運動は避ける必要があります(ただしコールドポリペクトミーの場合には、その期間の短縮が可能となります)。

実際には、ポリープの形状・大きさに合わせ、それぞれの治療法を選択していきますので、内視鏡検査前に説明させていただきます。

早期発見・早期治療をすることで、がん化する前に腫瘍性ポリープを切除することができます。お身体に負担の少ない内視鏡治療ができるよう、定期的な内視鏡検査をおすすめしております。

※当院で切除したポリープの一例です。

感染性腸炎

感染性腸炎とは 感染性腸炎(Infectious Enteritis)は、腸の炎症を引き起こす感染症で、通常、細菌、ウイルス、または寄生虫によって引…

詳しくはこちら
詳細はこちら

潰瘍性大腸炎

大腸

潰瘍性大腸炎とは 潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん、Ulcerative Colitis) は、主に大腸(結腸)と直腸に炎症を引…

詳しくはこちら
詳細はこちら

大腸がん

大腸

大腸がんとは 大腸がんは、大腸(結腸・直腸)に発生するがんで、腺腫という良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがありま…

詳しくはこちら
詳細はこちら

逆流性食道炎

食道・胃・十二指腸

逆流性食道炎とは 様々な理由で胃液を含む胃の内容物が食道に逆流し続けると、食道の粘膜が傷つけられ、炎症やびらんを起こしてしまった状態が逆流性食道炎です。…

詳しくはこちら
詳細はこちら

食道がん

食道・胃・十二指腸

食道がんとは 食道がんには主に扁平上皮がんと腺がんの二つのタイプのがんがあります。扁平上皮がんは食道本来の粘膜である扁平上皮から発生し、わが国では食道が…

詳しくはこちら
詳細はこちら

胃がん

食道・胃・十二指腸

胃がんとは 胃がんは、胃の粘膜表層にできるがんで、胃粘膜の細胞ががん細胞へと変わり大きくなった状態です。胃がんの進行速度は比較的緩やかですが、次第に…

詳しくはこちら
詳細はこちら