大腸

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(IBS)とは

消化器の疾患がないにも関わらず、腹痛や便秘、下痢などの症状を慢性的に繰り返す病気です。 腸管の運動が異常に亢進 し、刺激への反応が過敏になることで引き起こされると考えられています。

主な症状

•数週間~数ヶ月にわたって、お腹の不調や痛みが起こっている

•下痢や便秘が数ヶ月続いている

•排便をすると痛みが一時的に落ち着く

•お腹の張り、ガス溜まりを感じる

•排便の回数が不規則

•排便しても、便が残っているような感覚がある

•ストレスを感じると、症状がより悪化する

主な原因

ストレス、不安、抑うつ、恐怖などの心理的要因や自律神経の失調とされています。

社会の複雑化やストレスの増加に伴い、症状に悩む人が増えている病気です。

過敏性腸症候群は命に関わる病気ではありませんが、生活の質(QOL)を大きく低下させてしまう可能性があります。薬物療法や生活習慣の改善などにより、症状を改善することは可能です。

検査・診断

6ヵ月以上前から症状があり、最近3ヵ月間に週1回ほどのペースで腹痛があり、次のうち2つ以上が当てはまる場合です。

•排便で症状が緩和する

•排便回数が変化する

•便の形状が変化する

過敏性腸症候群の症状は、他の消化器疾患でも起こります。
そのため血液検査や大腸カメラ検査、エコー検査などを行い、大腸がんや潰瘍性大腸炎などその他の疾患の可能性を除外する必要があります。

治療

過敏性腸症候群の治療では、生活習慣の改善が大切です。食事療法や薬物療法を中心に、必要に応じて心理療法などを行います。市販薬の使用も良いですが、個々の症状や体質に合わせてお薬を選ぶことが大切ですので、医師へご相談ください。

生活習慣:

睡眠不足や過度なストレス・疲労などでお悩みの方には、その改善策について考えましょう。またアルコールの過剰摂取や香辛料を多く摂る食事は症状を悪化させる可能性があるため、摂取量を減らしましょう。
タバコを吸っている方は、治療を機に禁煙を始めてみましょう。

下痢型の方は脱水を防ぐため、こまめに水分補給を行うことが重要です。水分を補給する際は、なるべく胃に負担をかけないよう、常温または温かい飲み物を飲むようにします。

適度な運動は、ストレス解消において有効だとされています。まずは軽いウォーキングから始め、少しずつ運動を習慣化していきましょう。

薬物療法:

症状に合わせて、腸の運動を整える薬、腸内細菌の乱れを整える整腸剤、お腹の痛みを抑える薬、下痢止め薬などを処方します。抗不安薬、自律神経調整薬、漢方薬を処方することもあります。

心理療法:

心理的ストレスが引き金になることが多いため、薬物療法でも改善しにくい場合は、ストレスとの上手な付き合い方を身につけていく「ストレスマネジメント」、不安や緊張をやわらげる「リラクゼーション療法」などを薬物療法と併用していく場合があります。

食事療法:

1日3食、規則正しくバランスのよい食事を心がけましょう。暴飲暴食、寝る前の食事、油っぽい食べ物、アルコールや香辛料、炭酸飲料、コーヒーなど刺激の強い食べ物も控えめにしましょう。十分な水分摂取も大切です。

過敏性腸症候群の症状に影響する因子としてFODMAPが注目されています

FODMAPとは?

小腸で吸収されにくく大腸で発酵しやすい糖質の総称です。

Fermentable(発酵性の)

Oligosaccharides(オリゴ糖)

Disaccharides(二糖類)

Monosaccharides(単糖類)

And

Polyols(ポリオール)

このFODMAPが多く含まれた「高FODMAP食品」を過度に摂取すると、腹痛や下痢、便秘などの過敏性腸症候群の症状が悪化することが報告されています。そのため、過敏性腸症候群でお悩みの方は、日頃の食生活を見直して改善してみましょう。

FODMAPを含む食品

Oligosaccharides(オリゴ糖:タマネギ、ニンニク、アスパラガス、豆類)

Disaccharides(二糖類:牛乳、ヨーグルト、水飴、海藻類、キノコ類)

Monosaccharides(単糖類:果物、はちみつ)

And

Polyols(ポリオール:リンゴ、アプリコット、モモ、ナシ、スイカ、人工甘味料)

低FODMAP食

FODMAPを多く含む食品を食べるのを制限する、低FODMAP食事療法を行うことで、過敏性腸症候群の症状改善に効果があることが報告されています。

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