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診療について

腸のポリープってなんで治療する必要があるの?どうやって切除するの?

大腸のポリープの多くは腫瘍性なので、大きくなったり、将来癌になったりするので年齢や基礎疾患など患者さんの背景をみながら治療をします。

小さなポリープのうちならクリニックでも簡単に切除できます。
ある程度の大きさ 20mmを超えると(大きくても、茎がある場合は外来で切除できることがあります)入院治療の方が望ましいときもあります。
いきなり大きなポリープになるのでなくある程度の年月を経てポリープは大きくなります。
なのですべての癌同様に早期発見、早期治療が望まれるのです ただ、ポリープが残っていても、究極の目的は癌にならない、癌死しないようにするとうことです。

 

 

・CFP(cold forceps polypetomy)

一番簡単な治療法です。

4-6mm程度の腺腫と思われるポリープに対する治療法です。

普通の細胞をとる生検鉗子より大きいサイズのでつまんで、物理的に取っちゃいます。
次にのべるCSPにくらべて、検体の回収が楽です。
コントロールもいいので、内視鏡の操作性が悪い場所でも用います。
よく内視鏡しているときにCFPするよって言っても看護師さんが聞き違えてCSPのスネアを出すので 私はジャンボって叫んでます 。
愛称ですが、この道具を作っているメーカー(オリンパス、ボストン)も正式名?ぽく使ってます。

 

・CSP(cold snare polypectomy)

8mm程度までの腺腫を切除する方法です  現在のポリープの切除方法の主流となってます。

病変にスネアという金属の輪っかをかけて物理的に切除します 。取り残しがゼロではないですが、圧倒的利点として切除後の出血がほとんどないということです。

従来はほとんどのポリープ対して、EMRを行ってきましたが、どうしても年に数回は術後に出血して夜中や休日に緊急内視鏡をして止血術(ポリープとった部位にクリップなどをかけて血を止める)をしていました CFP・CSPになって緊急の止血術が減りました・

また、現在は高齢化で抗血栓薬(血をサラサラにする薬)を飲んでいる人が多くなっています 安易に止めると脳梗塞や、心筋梗塞を惹起することがあるのでいつも悩みます・

このCFP・CSPは抗血栓薬1剤だけ内服中ならそのまま切除できるので利点です・

私はお酒をそんなには飲まないですが、EMRでは切除後1週間は禁酒でしたが、CFP・CSPでは禁酒期間が3日なので、長期間お酒がやめれれない人にはメリットですね。

 

・EMR(endoscopic mucosal resection 内視鏡的粘膜切除術)

8mm-20mmぐらいの腫瘍を切除する治療法です。

内視鏡下に当院ではヒアルロン酸(ネバネバの液体で化粧品とかによく使われています)を局注といって、病変の根元に注入して、膨隆を形成して、通電できるスネアで、電流を流して切除します。
きれいに病変はとれます。出血しないように、切除部位をクリップで縫います。
でもどうしても術後出血することがあり、特に大きなポリープを取ったあとは医者も患者さんもヒヤヒヤしながら1週間過ごします。
大体1週間を過ぎれば出血はしなくなります。

その間はお酒、運動、旅行、刺激物の摂取はダメです。

CFP・CSPの出現で大分EMRは減りました  普段週に20症例ぐらい大腸内視鏡いていますが、EMR適応は数件あるかないかですね。

 

・ESD(endoscopic submucosal dissection 粘膜下層剥離術)

消化管内視鏡で一番難しい、繊細な治療方法です クリニックレベルではできません。大きな病院で施行します。
スネアをかけるのではなく、電気メスで病変の周りを切開して、そのあとに粘膜下層を剥離して病変を一括切除する高度な治療方法です。
大体大きさ20mm以上の腫瘍性病変に行います。大腸の壁ってどのぐらいの厚さかわかります? 4mmです。
その内側の粘膜と粘膜下層を内視鏡下に切っていきます。内視鏡の操作ってリモートコントロールで蠕動運動、呼吸性変動、スコープのたわみなど様々な悪条件が加わり繊細な操作が難しいのです。
1mm単位で操作して病変を切っていきます。
ちょっとメスが深く入ると腸に穴が開いて(穿孔!! 内視鏡医が一番恐れる言葉です) しまうのです。

穴がクリップでふさげなければ、緊急の外科治療になることがあります 。
病変を確実に大きく切除できる方法ですが、技術的に難易度が高く、入院しなければならない治療方法です。

 

その他に絶滅危惧種となったHOT biopsyや局注しないでスネアで通電して切除するpolypectomy、水深下に局注しないで切除するunder water EMR(なぜかpolypectomyではない)、全周切開後スネアで切除するhybridESD、よく違いがわからないpre?
cuttingEMRなどがありますが、割愛しますね。

 

異常大腸のポリープ切除には様々な方法がありますが、病変や疾患、年齢に合わせて内視鏡医が安全で最適な治療法を摸索して施行します。

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菖蒲園すだ内視鏡・内科クリニック

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